私がNCUという特殊な環境で看護師として働き始めてから、数年が経過しました。この場所は、一般的な病棟とは全く異なる緊張感に包まれています。朝の申し送りから始まり、夜勤帯が明けるまで、一瞬たりとも気が抜けることはありません。NCUに入院している患者さんは、自らの言葉で痛みを訴えることができない場合が多く、私たちはモニターの数値の変化や、わずかな呼吸の乱れ、あるいは瞳孔のわずかな左右差から、脳内で起きている異変を察知しなければなりません。意識障害のある患者さんの目を見つめ、ペンライトの光を当てて対光反射を確認する瞬間は、何度経験しても背筋が伸びる思いです。脳神経外科の看護において最も難しいのは、刻一刻と変化する病態に対するアセスメント能力です。例えば、急激な血圧の上昇が脳浮腫の悪化を示しているのか、あるいは疼痛による反応なのかを判断し、適切な処置へ繋げるスピードが患者さんの予後を左右します。また、ご家族へのケアも私たちの重要な役割です。突然の事故や脳卒中で、昨日まで元気に笑っていた大切な人が、機械に繋がれて動かなくなっている姿を目の当たりにするご家族の衝撃は、計り知れないものがあります。その悲しみに寄り添いながらも、現在の治療状況を正しく伝え、少しずつ現実を受け入れていただくお手伝いをするのは、精神的にもハードな仕事です。しかし、そんな過酷な環境だからこそ、大きな喜びを感じる瞬間もあります。それまで全く反応のなかった患者さんが、数週間ぶりに目を開け、私の問いかけに対してかすかに頷いてくれたとき、この仕事を選んで本当に良かったと心から感じます。NCUは、生と死が隣り合わせの場所ですが、同時に人間の生命力の強さを再確認させてくれる場所でもあります。私たちは、最新の医療機器に囲まれながらも、手のぬくもりや言葉かけといった、人間本来の看護の力を大切にしています。一分一秒の戦いが続く中で、患者さんの未来が少しでも明るいものになるよう、今日も私たちは祈るような気持ちでベッドサイドに立ち続けます。
NCUで働く看護師が直面する命の最前線