小学校三年生になる息子が、待ちに待った夏休みの短期水泳教室を翌日に控えた夕方、ふと顔を見ると右目の上がポッコリと赤く腫れていました。本人は少し痒いと言っており、瞬きをするたびに違和感がある様子で、私はすぐに、これはものもらいだと直感しました。息子は一ヶ月も前からこの水泳教室を楽しみにしており、新しい水着やゴーグルを準備して毎日カレンダーに印をつけていたほどです。親としては、このままプールに行かせて良いものか、それとも他の子にうつしてしまったら大変だと激しい葛藤に襲われました。インターネットで調べると、ものもらいは基本的にはうつらないと書いてありましたが、学校の先生や他の保護者の目が気にならないといえば嘘になります。翌朝、一番に近所の眼科へ駆け込むと、医師は丁寧に診察した上で、これは麦粒腫という細菌感染によるものだけれど、ウイルス性ではないから他人にうつる心配はないと説明してくれました。しかし、医師からは続けて、プールの塩素は今の腫れたまぶたには刺激が強すぎるし、潜ったり激しく動いたりすることで炎症がひどくなる可能性があるから、今日はお休みしてゆっくり休ませてあげた方が治りが早いですよ、と助言されました。息子にそのことを伝えると、大粒の涙を流して悔しがりましたが、私は「今無理をして一週間休むことになるよりも、今日一日我慢して早く治そう」と必死に説得しました。その日は処方された点眼薬をさし、自宅で静かに本を読んで過ごさせました。冷やしたタオルで時折目を休ませると、翌日には赤みがかなり引いており、本人も痛みがなくなったと言い始めました。二日間の欠席を経て、三日目には腫れがほとんど目立たなくなり、眼科でもう一度診てもらったところ、ゴーグルをしっかり着けて潜りすぎないなら大丈夫という許可をいただくことができました。三日ぶりにプールへ向かう息子の背中は喜びで弾んでおり、見守る私も心の底から安堵しました。もしあの時、無理をさせて初日から泳がせていたら、今頃はもっと腫れがひどくなって全日程を休まなければならなかったかもしれません。ものもらいとプールの関係において、親が一番に考えるべきは「うつるかどうか」という社会的なマナーもさることながら、何よりも「我が子の完治をいかに早めるか」という医学的な視点なのだと痛感した出来事でした。子供の笑顔を守るためには、時には楽しみにしている予定をキャンセルする勇気が必要であることを、この夏のものもらい騒動を通して学びました。それ以来、我が家ではプールから帰ったら必ず目を丁寧に洗う習慣を徹底し、少しでもまぶたに違和感があればすぐに休息を取るようにしています。