花粉症の症状といえば、くしゃみ、鼻水、目のかゆみが三大症状として知られていますが、実はそれだけではありません。「鼻や目はそれほどでもないのに、なぜか咳が止まらない」「全身がだるくて、微熱っぽい感じが続く」。このような、一見すると風邪と見分けがつきにくい症状も、実は花粉症が原因で引き起こされていることがあるのです。こうした全身症状に悩んでいる場合や、アレルギー体質そのものを根本から見直したいと考えている場合には、内科、あるいはアレルギーを専門とするアレルギー科の受診が有効な選択肢となります。花粉が鼻や喉から気管支にまで入り込むと、気道にアレルギー性の炎症を引き起こし、喘息のような乾いた咳が続くことがあります。これを「咳喘息」と呼びますが、花粉症シーズンに悪化するケースが少なくありません。内科やアレルギー科では、こうした呼吸器系の症状も含めて、全身の状態を総合的に診察してくれます。また、花粉症はアレルギー反応の一種であり、体が異物(花粉)と戦っている状態です。この免疫反応そのものが、体のエネルギーを消耗させ、倦怠感や集中力の低下、微熱といった全身症状を引き起こすことがあります。内科では、これらの症状を和らげるための内服薬を処方してもらうとともに、アレルギーの原因を特定するための「アレルギー検査(血液検査など)」を受けることができます。自分がどの花粉に、どの程度強く反応するのかを客観的に知ることは、今後の対策を立てる上で非常に重要です。さらに、アレルギー科では、症状を薬で抑える対症療法だけでなく、アレルギー体質そのものを改善し、長期的に花粉症を治すことを目指す「アレルゲン免疫療法」の相談も可能です。近年では、スギ花粉症に対して、自宅で治療が続けられる「舌下免疫療法」が保険適用となっており、多くの人がこの治療で根本的な改善を目指しています。ただの鼻炎、結膜炎と捉えず、全身のアレルギー疾患として花粉症と向き合いたい方は、ぜひ一度、内科やアレルギー科の扉を叩いてみてください。