病院へ行く決意を固めた際、医師に自分の症状を正確に伝えるための準備として、いくつかのセルフチェック項目を確認しておくことは非常に重要です。「舌が痛い、何科に行けばいい」という漠然とした不安を抱えたまま診察室に入ると、肝心な情報を伝え漏らしてしまい、不必要な検査を繰り返すことになりかねません。まずチェックすべきは「痛みの場所」です。舌の先端なのか、側面なのか、あるいは表面全体なのか。特に側面に鋭い痛みがある場合、歯並びや入れ歯の接触が原因である可能性が高いため、歯科口腔外科を優先すべきです。次に「見た目の変化」です。鏡を見て、舌に白い苔のようなものが付着していないか、あるいは一部が真っ赤にツルツルになっていないか(鏡面舌)、黒いシミや盛り上がりはないかを確認してください。白い苔が擦っても取れない場合は、白板症という将来がんに変わる可能性のある疾患の兆候かもしれません。さらに「痛みのタイミング」も重要な指標です。冷たいものがしみるのか、辛いものが刺激になるのか、あるいは話をしているときに痛むのか。食事中に痛みが消えるのであれば舌痛症の疑いが強まりますし、逆に食事をすると激痛が走る場合は、唾液腺の病気である唾液腺結石症などが隠れていることもあります。また、舌以外の随伴症状も忘れずに確認しましょう。喉が渇きやすい(ドライマウス)、味が以前より分かりにくい(味覚障害)、頬の粘膜にも白線がある、といった情報は診断の精度を飛躍的に高めます。受診先の診療科を選ぶ際のアドバイスとして、これらのチェック項目で一つでも「見た目の異常」があったなら、歯科口腔外科を。喉の違和感や耳の痛みがあるなら、耳鼻咽喉科を。何も異常がないのにヒリヒリが続くなら、まずは口腔外科を受診した上で心療内科への紹介を視野に入れる、という流れが理想的です。また、現在服用しているお薬手帳も必ず持参してください。高血圧の薬や向精神薬の一部には、副作用として口腔乾燥や舌の痛みを引き起こすものがあるからです。これらのセルフチェックは、自分自身が自分の健康を守るための最も基本的で強力な武器になります。医師との対話をスムーズにし、最短ルートで完治を目指すために、受診前の五分間で自分の舌と対話する時間を持ってみてください。