蜂の巣の駆除を考えたとき、最も重要になるのが「いつ発見したか」という点です。なぜなら、蜂の巣は時間の経過とともに、その危険度が飛躍的に増していくからです。そして、その成長スピードは一日単位で大きく変わるため、初期段階での発見が何よりも大切になります。春、越冬から目覚めた女王蜂は、たった一匹で巣作りを開始します。この時期の巣は、まだ数センチ程度の小さなもので、部屋の数もわずかです。女王蜂自身も、巣と卵を守るために必死で、攻撃性は比較的低いとされています。この段階で発見できれば、市販のスプレーなどを使って自力で駆除できる可能性も残されています。しかし、この小さな巣を見逃してしまうと、事態は急速に変化します。やがて働き蜂が羽化し始めると、巣の成長は第二段階に入ります。働き蜂たちは巣の防衛という重要な役割を担うため、巣に近づくものに対して非常に攻撃的になります。そして、働き蜂の数が増えるのに比例して、巣は一日で数センチも大きくなることがあります。ピンポン玉サイズだった巣が、数日後にはソフトボール大になっていることも珍しくありません。この段階になると、自力での駆除は非常に危険です。働き蜂の数が増え、防衛網が強化されているため、下手に刺激すると集団で襲ってくるリスクが格段に高まります。夏場の最盛期にもなれば、巣はさらに巨大化し、蜂の数も数百から千を超えることもあります。こうなると、専門の駆除業者でなければ安全な駆除は不可能です。つまり、蜂の巣との戦いは時間との勝負なのです。一日発見が遅れるだけで、駆除の難易度と危険性は格段に上がります。蜂がよく飛んでいるのを見かけるようになったら、それは巣が近くにあるサインかもしれません。軒下やベランダ、植木の中などを注意深く点検し、一日でも早く巣を見つけ出すことが、安全を守るための最善策と言えるでしょう。