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2025年10月
  • その咳は風邪じゃないかも!呼吸器内科のすすめ

    医療

    二週間、三週間、あるいは一ヶ月以上も咳が続いている。市販の咳止めを飲んでも、一向に良くなる気配がない。それはもう、単なる「風邪のなごり」ではないかもしれません。長引く咳、医学的には「遷延性咳嗽(せんえんせいがいそう)」や「慢性咳嗽(まんせいがいそう)」と呼ばれるこの症状の裏には、専門的な治療を必要とする、様々な呼吸器の病気が隠れている可能性があります。このような場合に最も頼りになるのが、呼吸器内科です。呼吸器内科では、単に咳を止めるだけでなく、「なぜ咳が出ているのか」という根本原因を徹底的に探ります。例えば、夜間や早朝に決まって咳き込む、季節の変わり目や特定の場所で咳が悪化する、といった症状があれば、「咳喘息」や「気管支喘息」が疑われます。これらは、アレルギー反応などによって気道に慢性的な炎症が起き、過敏になっている状態です。治療には、一般的な咳止めではなく、気道の炎症を抑える吸入ステロイド薬が不可欠であり、これは呼吸器内科の専門的な治療領域です。また、レントゲンでは異常が見つからないものの、痰の絡んだ湿った咳が何週間も続く場合は、「副鼻腔気管支症候群」の可能性もあります。これは、慢性的な副鼻腔炎(蓄膿症)と気管支炎が合併した状態で、耳鼻咽喉科と呼吸器内科の連携が必要となることもあります。さらに、忘れてはならないのが、肺炎や肺結核、そして肺がんといった、命に関わる重大な病気の可能性です。特に、咳に血が混じる(血痰)、体重が減少する、微熱が続くといったサインが見られる場合は、決して放置してはいけません。呼吸器内科では、CT検査や気管支鏡検査といった、より精密な検査を通じて、これらの病気を見逃さないように努めます。風邪は、通常であれば一週間から十日ほどで治癒に向かうものです。それ以上続く咳は、体が発している何らかの異常信号です。そのサインを軽視せず、呼吸器の専門家である呼吸器内科を受診し、咳の本当の原因と向き合う勇気を持ってください。

  • 花粉による肌荒れは皮膚科へ相談しよう

    医療

    花粉症の季節になると、目や鼻だけでなく、顔や首筋の皮膚がかゆくなったり、カサカサに乾燥したり、赤みや湿疹が出たりする。このような、花粉が原因で起こる肌トラブルは「花粉皮膚炎」と呼ばれ、近年、多くの人を悩ませています。特に、アトピー性皮膚炎など、もともと肌のバリア機能が弱い人は、症状が悪化しやすい傾向にあります。このつらい肌の悩みを相談するのに最も適した専門家は、言うまでもなく皮膚科の医師です。花粉皮膚炎は、二つのメカニズムで起こると考えられています。一つは、鼻や目から入った花粉に対するアレルギー反応が、血流に乗って全身に広がり、皮膚に症状として現れるケース。もう一つは、花粉そのものが直接、肌に付着し、皮膚のバリア機能を突き破って内部に侵入し、そこで接触皮膚炎(かぶれ)を引き起こすケースです。特に、肌のバリア機能が低下していると、後者の影響を受けやすくなります。皮膚科を受診すると、まず、その肌荒れが本当に花粉によるものなのか、それとも他の原因(化粧品かぶれ、乾燥性湿疹、アトピー性皮膚炎の悪化など)はないのかを、専門家の目で的確に診断してくれます。診断に基づいて、適切な治療薬を処方してもらえるのが最大のメリットです。治療の基本は、炎症を抑える「ステロイド外用薬(塗り薬)」と、かゆみを抑える「抗ヒスタミン薬(飲み薬)」です。ステロイド外用薬には様々な強さのランクがあり、皮膚科医は、症状の重さや、顔、首といった皮膚の薄い部位に合わせて、最も適切な強さの薬を選択してくれます。また、低下してしまった肌のバリア機能を回復させるために、保湿剤(ヘパリン類似物質など)を処方し、日々の正しいスキンケアの方法についても、具体的に指導してくれます。「花粉から肌を守るための洗い方」「刺激の少ない保湿剤の選び方」「日焼け止めの重要性」など、専門家ならではのアドバイスは、症状の改善と再発予防に非常に役立ちます。花粉による肌荒れを、ただの季節的なものと諦めず、一度、皮膚科に相談してみてはいかがでしょうか。

  • 私がレーザー治療で長年の鼻づまりを克服した話

    生活

    毎年二月になると、私の鼻は完全にその機能を失いました。花粉症による、息もできないほどの頑固な鼻づまり。夜は口呼吸で喉がカラカラになり、日中は頭がボーッとして仕事に集中できない。そんな地獄のような日々を、私は十年以上も繰り返してきました。薬を飲んでも、その効果は一時的。いつしか私は、「花粉症とは、こういうものだ」と諦めていました。そんな私が、ある日、同僚から耳にしたのが、耳鼻咽喉科で受けられる「レーザー治療」の話でした。半信半疑でしたが、藁にもすがる思いで、私は近所の耳鼻咽喉科の門を叩きました。診察室で、長年の悩みを話すと、医師は私の鼻の中をカメラで確認し、「ああ、これは粘膜がひどく腫れていますね。レーザー治療の良い適応ですよ」と言いました。治療は、花粉が本格的に飛散する前に行うのが効果的とのことで、私はその年の十二月に治療を受けることを決意しました。治療当日は、少し緊張しました。まず、鼻の中に麻酔薬を浸したガーゼを入れ、二十分ほど待ちます。麻酔が効いてくると、鼻の中がじんわりと痺れてくるのがわかりました。そして、いよいよレーザー照射です。医師が細い器具を鼻に入れ、粘膜を焼いていきます。チリチリという音と、少し焦げ臭い匂いがしましたが、麻酔のおかげで痛みはほとんどありませんでした。両方の鼻を合わせても、治療時間は十分ほどで、あっけなく終わりました。治療後、数日間は鼻水やかさぶたが出ましたが、一週間もすると、鼻の通りが明らかに良くなっていることに気づきました。そして、運命の二月。例年なら、すでに鼻が詰まり始めているはずなのに、その年は、驚くほどスムーズに呼吸ができたのです。もちろん、多少の鼻水やくしゃみは出ましたが、あの悪夢のような鼻づまりは、全くありませんでした。レーザー治療は、全ての人に同じ効果があるわけではなく、効果も永続的ではないと聞いています。しかし、私にとって、この治療は長年の苦しみから解放してくれた、まさに救世主でした。花粉症の鼻づまりに本気で悩んでいるなら、一度、耳鼻咽喉科で相談してみる価値は、大いにあると思います。

  • 鼻水とくしゃみが辛いなら耳鼻咽喉科へ

    医療

    花粉症の症状の中でも、とめどなく流れ出る鼻水、連発するくしゃみ、そして息苦しいほどの鼻づまりは、日常生活の質を著しく低下させる、非常につらい症状です。このような鼻のトラブルに特化して悩んでいる場合、最も頼りになる専門家は、耳鼻咽喉科の医師です。なぜなら、耳鼻咽喉科は、その名の通り「耳・鼻・喉」のスペシャリストであり、花粉症によって引き起こされるアレルギー性鼻炎の診断と治療を、最も専門的に行ってくれるからです。耳鼻咽喉科を受診する最大のメリットは、専門的な器具を用いて、鼻の中の状態を直接、詳細に診察してもらえる点にあります。医師は、鼻鏡やファイバースコープといった器具を使い、鼻の粘膜がどの程度腫れているのか、鼻水の色や性状はどうか、鼻茸(ポリープ)ができていないかなどを、自分の目で直接確認します。これにより、症状の重症度を客観的に評価し、一人ひとりに合った最適な治療法を提案することができるのです。治療法も多岐にわたります。もちろん、抗ヒスタミン薬などの内服薬や、鼻の炎症を抑える点鼻薬の処方が基本となりますが、耳鼻咽喉科ならではの治療も受けられます。例えば、「ネブライザー治療」は、霧状にした薬剤を鼻や喉の奥に直接届けることで、粘膜の腫れや炎症を和らげる効果が期待できます。また、鼻づまりが特にひどい場合には、粘膜の腫れを一時的に緩和する処置を行ったり、長期的な改善を目指して、アレルギー反応を起こす鼻の粘膜をレーザーで焼く「レーザー治療」といった選択肢を相談したりすることも可能です。さらに、花粉症は鼻だけでなく、喉のイガイガやかゆみを引き起こすこともありますが、耳鼻咽喉科であれば、喉の状態も一緒に診てもらえるため、一石二鳥です。鼻の症状に特化して悩んでいるのなら、迷わず耳鼻咽喉科の扉を叩いてみてください。専門的なアプローチが、長年の悩みを解決する糸口になるかもしれません。