自律神経の乱れや心の不調を感じた時、病院を探し始めて多くの人が混乱するのが、「心療内科」「精神科」「神経内科」という、似た名前の診療科の違いです。それぞれ専門領域が異なり、ご自身の症状に合った科を選ぶことが、適切な治療への第一歩となります。まず、「心療内科」が主に扱うのは、ストレスや心理的な要因が原因となって、体に様々な症状が現れる「心身症」です。例えば、ストレスで胃が痛くなる、緊張すると動悸がする、そして「自律神経失調症」によるめまいや倦怠感などが、まさにこの領域です。つまり、「心の不調」が「体の症状」として現れている場合に、心と体の両面からアプローチするのが心療内科です。カウンセリングや生活指導を重視しつつ、必要に応じて薬物療法も行います。次に、「精神科」が主に扱うのは、気分の落ち込み(うつ)、不安、幻覚、妄想、不眠といった、「心そのもの」の症状が中心となる病気です。代表的な疾患には、うつ病、双極性障害、統合失調症、不安障害などがあります。もちろん、これらの病気にも体の症状は伴いますが、治療の主眼は、あくまで心の症状を和らげることに置かれます。薬物療法が治療の中心となることが多いのも特徴です。そして、「神経内科」は、これら二つとは全く異なり、脳や脊髄、末梢神経、筋肉といった「神経システムそのもの」に物理的な異常が生じる病気を扱います。例えば、パーキンソン病、脳梗塞の後遺症、てんかん、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などが専門領域です。ろれつが回らない、手足が麻痺するといった症状がある場合は、まず神経内科で器質的な問題がないかを調べてもらう必要があります。結論として、「自律神経失調症」を疑う場合、最も適しているのは「心療内科」です。しかし、実際には心療内科と精神科が同じクリニック内で診療を行っていることも多く、精神科でも十分に対応してもらえます。大切なのは、「神経内科」は専門が違うということを理解し、心の問題が体に影響していると感じたら、心療内科か精神科の扉を叩くことです。