体の不調を感じて内科を受診し、血液検査やレントゲン、心電図など、一通りの検査を受けた。しかし、医師から返ってきた言葉は「特に異常は見当たりませんね」。危険な病気ではなかったことに安堵する一方で、「では、このつらい症状の原因は一体何なのだろう?」と、途方に暮れてしまう。これは、自律神経の不調に悩む多くの人が経験する、典型的なパターンです。この「異常なし」という言葉を、どう受け止め、次にどう行動すれば良いのでしょうか。まず、ここで理解しておくべきなのは、内科で行われる検査は、主に臓器の形や構造に異常がないか、あるいは血液の数値に明らかな異常値がないか、といった「器質的な疾患」を見つけ出すためのものだということです。しかし、自律神経失調症は、臓器そのものが壊れているわけではなく、その働きをコントロールする神経システムの「機能的な不調」です。例えるなら、パソコンのハードウェア(臓器)は壊れていないけれど、ソフトウェア(自律神経)にバグが生じているような状態。そのため、通常の検査では「異常なし」という結果が出てしまうのです。したがって、内科での「異常なし」は、決して「あなたの気のせい」や「怠け」という意味ではありません。むしろ、「命に関わるような、身体的な重篤な病気は隠れていない」という、非常に重要な情報を得られたと、前向きに捉えるべきなのです。これが、次のステップへ進むための、大きな安心材料となります。では、次の一歩は何か。それは、症状の原因を「機能的な不調」、つまり自律神経の乱れや、心理的なストレスの可能性にシフトして考えることです。そして、その専門家こそが「心療内科」なのです。内科で器質的な問題が否定された今こそ、心と体の繋がりを専門とする心療内科を受診する絶好のタイミングです。内科医に、これまでの経緯を話し、心療内科への紹介状を書いてもらうのも良いでしょう。ドクターショッピングを繰り返して疲弊する前に、「異常なし」をゴールではなく、新たなスタートラインと捉え、勇気を出して次の一歩を踏み出してみてください。
内科で「異常なし」と言われたら、次の一歩