妊娠中にプールを楽しんだ後、なんだか体調がおかしい。熱っぽい、喉が痛い、目が赤い。そんな時、それが単なる疲れなのか、それとも何か感染症にかかってしまったのか、不安になることでしょう。妊娠中は、体の変化に敏感になり、早めに対処することが大切です。ここでは、プール後にどのような症状が出たら医療機関を受診すべきか、その目安について解説します。まず、明らかに受診が必要なのが、「三十八度以上の発熱」です。妊娠中の高熱は、母体の体力を著しく消耗させ、お腹の張りなどを誘発する可能性もあります。単なる風邪かもしれませんが、プール熱(咽頭結膜熱)や、腎盂腎炎などの可能性も否定できません。自己判断で市販の解熱剤を飲むことは絶対に避け、まずはかかりつけの「産婦人科」に連絡し、指示を仰ぎましょう。次に、「目」の異常です。「目の充血」がひどく、「目やに」がたくさん出る、あるいは「ゴロゴロとした異物感」がある場合は、流行性角結膜炎(はやり目)の可能性があります。感染力が非常に強いため、家族への感染を防ぐためにも、速やかに「眼科」を受診する必要があります。その際、必ず妊娠中であることを伝えてください。また、「喉」の症状も注意が必要です。「唾も飲み込めないほどの強い喉の痛み」がある場合は、ヘルパンギーナや溶連菌感染症などの可能性があります。特に、高熱を伴う場合は、早めに「内科」や「耳鼻咽痕科」を受診しましょう。こちらも、妊娠中であることを忘れずに伝えることが大切です。皮膚の症状としては、「デリケートゾーンの強いかゆみ」や、「おりものの変化(量、色、匂い)」が見られた場合は、カンジダ膣炎の悪化などが考えられます。放置せず、「産婦人科」で相談してください。また、「足の指の間が痒い、皮がむける」といった症状は水虫(足白癬)のサインかもしれません。「皮膚科」を受診しましょう。これらの症状に加えて、もし「お腹の張りが頻繁にある」「出血がある」「胎動が少ない気がする」といった、産科的な異常を感じた場合は、何よりも優先して、時間外であってもすぐにかかりつけの産婦人科に連絡し、受診する必要があります。プール後の体調不良は、気のせいにせず、早め早めの対応を心がけましょう。