妊娠中の運動不足解消や、体重管理、リフレッシュのために、「マタニティスイミング」を始めたいと考えている妊婦さんは多いでしょう。水中では浮力によって体への負担が軽減され、全身運動ができるため、マタニティスイミングは妊婦にとって非常にメリットの多い運動です。しかし、誰でも、いつでも始められるわけではありません。安全に楽しむためには、始める前に必ず確認しておくべきいくつかの重要なポイントがあります。まず、最も重要なのが、「かかりつけの産婦人科医の許可を得る」ことです。これは、絶対的な必須条件です。妊娠の経過は一人ひとり全く異なります。切迫早産や前期破水のリスク、妊娠高血圧症候群、前置胎盤、あるいは何らかの感染症など、運動が禁忌となる状態である可能性もあります。自己判断で始めるのは絶対にやめましょう。通常、安定期に入り、妊娠経過が順調であれば許可が出ることが多いですが、必ず医師によるメディカルチェックを受け、「マタニティスイミング参加許可証」のような書類にサインをもらってから、スイミングスクールに提出する必要があります。次に、参加する「施設選び」です。必ず「マタニティスイミング」の専門コースが設置されており、専門の知識を持ったインストラクターが指導してくれる施設を選びましょう。一般のプール利用とは異なり、妊婦の体に配慮したプログラムが組まれており、緊急時の対応マニュアルなども整備されているため、安心して参加できます。施設の衛生管理が徹底されているかどうかも、感染症予防の観点から重要なチェックポイントです。そして、始める「タイミング」です。一般的には、つわりが落ち着き、胎盤が完成して流産のリスクが低くなる「安定期(妊娠十六週以降)」から始めるのが良いとされています。妊娠後期になると、お腹が大きくなって動きにくくなったり、早産のリスクが高まったりするため、遅くとも三十二週頃までには始めるのが良いでしょう。体調が良い日を選んで参加し、少しでもお腹の張りや疲れを感じたら、無理せずすぐに中断し、休む勇気を持つことも大切です。これらのルールを守ることが、お腹の赤ちゃんと自分自身の安全を守り、マタニティスイミングの効果を最大限に引き出すことに繋がるのです。
マタニティスイミング、始める前に確認すべきこと