「うちの子、ただの怠け癖なんじゃないだろうか…」。朝、起きられないお子さんを前に、多くの親御さんがそう自問し、自分を責めてしまうことがあります。しかし、それは病気のサインかもしれません。起立性調節障害(OD)は、本人の気力ではどうにもならない、体の病気です。病院へ行くべきか迷った時に、家庭でできる簡単なチェックリストをご紹介します。以下の十一項目のうち、三つ以上当てはまる、あるいは二つでも症状が強く、日常生活に支障が出ている場合は、ODの可能性を考えて、専門医に相談することをお勧めします。立ちくらみ、あるいは、めまいを起こしやすい。立っていると気分が悪くなる、ひどいと失神する。入浴時や、嫌なことを見聞きした時に気分が悪くなる。動悸や息切れがしやすい。朝、なかなか起きられず、午前中は調子が悪い。顔色が青白い。食欲不振がある。お腹が痛くなることがよくある(腹痛)。乗り物酔いをしやすい。疲れやすい、倦怠感が強い。頭痛がする。特に、重要なのが「午前中に症状が強く、午後になると回復してくる」という、症状の日内変動です。ODの子供たちは、午後になると驚くほど元気になり、ゲームや友人との会話を楽しむことができます。この姿を見て、親は「なんだ、元気じゃないか。やっぱり怠けていただけだ」と誤解してしまいがちですが、これこそがODの典型的な特徴なのです。自律神経の働きには一日の中でリズムがあり、ODの子供たちは、午前中に交感神経のスイッチがうまく入らないため、血圧が上がらず、脳への血流が不足して、様々な不調が集中して現れるのです。このチェックリストは、あくまで家庭でできる目安です。正確な診断のためには、医療機関での検査が不可欠です。もし、お子さんのつらそうな様子に思い当たる節があれば、このリストを手に、勇気を出して小児科の扉を叩いてみてください。それは、お子さんを誤解から救い、正しい理解とサポートへの第一歩となります。
その症状、起立性調節障害かも?家庭でできるチェックリスト