お子さんや、あるいはご自身の舌が、イチゴのように赤くブツブツになっていることに気づいた時、その異様な見た目に、不安を感じて病院へ行こうと考えるでしょう。しかし、その際に「一体、何科を受診すれば良いのだろう?」と迷ってしまうかもしれません。いちご舌という症状は、様々な病気のサインとして現れるため、伴っている他の症状によって、目指すべき診療科が変わってきます。ここでは、状況に応じた適切な受診先の選び方を解説します。まず、お子さんの場合で、「高熱」や「喉の痛み」、「全身の発疹」といった、明らかな感染症の症状を伴っている場合は、迷わず「小児科」を受診してください。小児科医は、子供の感染症の専門家です。溶連菌感染症や川崎病、手足口病など、いちご舌を呈する子供の病気を総合的に診察し、迅速検査キットなどを用いて、その場で原因を特定しようとします。かかりつけの小児科であれば、普段のお子さんの状態も把握しているため、より安心して相談できるでしょう。次に、大人の場合です。もし、「高熱」や「強い喉の痛み」といった、明らかな風邪症状を伴っているのであれば、「内科」あるいは「耳鼻咽喉科」が適切な相談先となります。溶連菌感染症の可能性を考慮し、必要な検査や抗生物質の処方を行ってくれます。もし、いちご舌の症状がメインで、他に全身症状がなく、「舌そのものの痛みや違和感」が強い場合や、「口内炎」などを併発している場合は、「歯科」や「口腔外科」を受診するという選択肢もあります。舌炎や、口腔内の環境に起因する問題である可能性を探ってくれます。そして、子供でも大人でも、もし「五日以上続く高熱」に加えて、「目の充血」や「手足の腫れ」など、複数の全身症状を伴う場合は、川崎病の可能性を念頭に置き、夜間や休日であっても、入院設備の整った「総合病院の小児科(子供の場合)や総合内科(大人の場合)」を受診することを強くお勧めします。このように、いちご舌というサインに、どのような症状が組み合わさっているかを見極めることが、正しい診療科への最短ルートとなるのです。