原因不明のふわふわとしためまい。病院で「異常なし」と言われても、不快な症状が続くと、日常生活も憂鬱になってしまいます。薬による治療と並行して、日々の生活習慣を見直すセルフケアを取り入れることで、つらい症状を和らげ、めまいが起きにくい体質へと改善していくことが期待できます。専門家が推奨する、今日から始められるセルフケアのポイントをご紹介します。まず、最も重要なのが「生活リズムを整える」ことです。自律神経のバランスを整えるためには、規則正しい生活が基本となります。毎日、できるだけ同じ時間に起き、同じ時間に寝ることを心がけましょう。特に、朝の光を浴びることは、体内時計をリセットし、自律神経のスイッチを正常に切り替える上で非常に効果的です。睡眠不足は、めまいの大きな引き金になります。質の良い睡眠を確保するために、寝る前のスマートフォン操作は控え、リラックスできる環境を整えましょう。次に、「バランスの取れた食事」です。欠食をせず、一日三食をきちんと摂ることが、血糖値の安定に繋がり、めまいの予防になります。特に、ビタミンB群(豚肉、レバー、大豆製品など)は神経の働きを助け、鉄分(赤身の肉、ほうれん草など)は貧血によるめまいを防ぎます。また、血行を良くするために、体を温める生姜やネギなどを食事に取り入れるのも良いでしょう。そして、適度な「運動習慣」も欠かせません。激しい運動は必要ありません。ウォーキングやヨガ、ストレッチといった、リズミカルで、ゆったりとした有酸素運動が効果的です。特に、首や肩周りの筋肉をほぐすストレッチは、脳への血流を改善し、めまいや頭痛の緩和に繋がります。運動は、血行促進だけでなく、ストレス解消にも役立ち、心身両面から自律神経を整えてくれます。また、めまいが起きやすい人は、人混みや、下を向いて長時間同じ姿勢でいること(スマホ操作など)を避けるといった、自分の症状の「トリガー」を知り、それを避ける工夫も大切です。これらの地道なセルフケアは、すぐに劇的な効果が現れるものではありません。しかし、焦らず、根気よく続けることが、薬だけに頼らない、根本的な体質改善への一番の近道となるのです。